●特集U●
教育の場における情報管理システム

 いま学校現場で手書きの文書を見ることはまれになっている。 成績処理も手作業ではなくパソコンを使っておこなわれている。 かつては学期末ならどこの学校の職員室でも見ることができた、 評定や所見を黙々と通知票に書き込む教員の姿はどこにもない。 通知票はプリンターから次々に打ち出され、 その束がクラス担任に渡される。 ではその元データはどこにあるのか。 元データももはや学校の中に保管されているのではなく、 神奈川の高校では 「成績処理支援システム」 により全県で一括管理されている。 個々の生徒の情報は、 通知票を渡す教員のもとにも、 学校にもなく、 学校を超えたシステムに蓄積され保管されている。 ここに不安があり、 不気味さがある。
 2014年7月、 教育産業の最大手とも言えるベネッセから個人情報が大量に流出したことが報じられた。 件数は最終的には3000万件近くに達すると伝えられている。 その後の報道により、 系列会社の職員がデータを持ち出したことがあきらかになった。 ただし、 持ちだした人物や情報を売り込んだ先が特定できても、 流れ出した情報の回収はほとんど不可能である。 ここに情報管理に関わる事件の深刻さがある。
 今回、 当研究所では 「教育の場における情報管理システム」 というタイトルで特集を組むことにした。 もちろん現段階で情報流出の危機が迫っているなどというつもりはない。 しかし、 事故は何時おこるかわからない。 問題点は常に確認し、 認識を深めておく必要がある。 そうした思いからこの特集を組み、 現場教員と外部の識者から論考を寄せていただき、 また他県から得ることができた情報等をまとめてみた。      

(教育研究所)
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