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教育実習を通して感じたこと

本田 真央

 私は現在大学 4 年生です。 中学生の時から目標としていた教育実習を 6 月に無事終え、 思い描いていた以上の実りある実習となった一方で、 教育の現場の現実も同時に学ぶこととなりました。
 私の実習先は中高一貫の母校であり、 6 学年の生徒と関わることができる良い環境が与えられました。 また、 実習生も同窓生が10数名いたことから、 現場の教師の方の授業だけでなく実習生の授業見学をすることが出来ました。 互いの教壇実習がどうであるか、 他の実習生はどんな工夫をして臨んでいるのかなど日々学ぶことが本当に多かったです。
 教育実習を終えて、 自分自身人間としてとても成長したと感じることができました。 一番は自分の意見を人の前に立って素直に表現できるようになったことだと思います。 実習へ行く前は授業のことはもちろん生徒とのコミュニケーションがうまく図れるかどうか不安でした。 しかし、 先生方の厳しくも暖かいご指導と生徒の明るい挨拶などで実習中はとても充実した日々を過ごすことが出来ました。
 初めて生徒たちの前で行った授業はやはり緊張しました。 何がこの50分間の授業で一番伝えたいのか自分でもあやふやになってしまい反省するべき点がたくさんありました。 本当に生徒が理解しているのかどうかについてもとても不安でした。 しかし、 授業後に自分の行った授業について生徒に感想を求めると、 「分かりやすくて楽しかったです」 と笑顔で答えてくれました。 その笑顔がとても嬉しく感じ、 人を教える大変さの裏側にこのような喜びがあるのかと教育というものを肌で感じることができました。 授業の回数をこなしていくにつれて教室全体の雰囲気にも慣れ、 分かりづらいところや生徒にもう少し細かく伝えたい部分も自分で見つけることができるようになり、 授業を行うのが楽しみになっていきました。
 3 週間、 最も意識し続けた事は 「声」 です。 どの生徒にも、 私の言葉が伝わるように、 大きな声ではきはきと、 また表情豊かに話すことを心掛けたことが自分への自信にも繋がり生徒にも伝わったのではないかと今考えると思います。 そして、 指導教諭の先生には本当にお世話になりました。 授業後の反省では、 もっとこうしたほうがいい、 このように生徒に伝えれば生徒は理解してくれる、 といった指導法についてとても熱心にご指導していただきました。 また、 授業以外にも、 生徒指導や学級経営などについてもたくさんのことを教えていただきました。 教師対生徒で捉えるのではなく、 教師対生徒一人ひとりを心掛ける事の大切さ改めて教わりました。   指導教諭の先生だけでなく、 他の教科の先生方からも教わることがとても多かったです。 授業見学では板書の使い方や指導方法などそれぞれの先生にそれぞれの教え方があり、 とても勉強になりました。
 教育実習を通して、 私は本当に教職課程を履修していて良かったと思いました。 少しでも生徒達にとって 「実習生に会えてよかった」 と思ってもらえるような存在になりたい、 という気持ちは実習に臨む前から非常に強かったので、 自分の言葉が何らかの形で、 生徒達の今後に良い影響を与えることができれば幸いだと思います。 教育実習を手応え感じて、 終了させることができたのも、 自分の授業に対して毎回改善点を指導してくださった先生や、 授業を参観してくださった先生方のご指摘があったからこそだと思っています。 教えることの辛さも大変さも分かったつもりでいますが、 それ以上に教育のあり方について改めて考える機会をこの実習で得る事ができたと思います。 一生のうちでは簡単に体験できるものではないかけがえのない 「出会い」 を体験することができたと思うので、 この経験をこれからの生活に少しでも多く役立てていきたいです。
   
 (ほんだ まお 青山学院大学)


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