●特集U● 〜2013年公開研究会報告〜 |
現在の子どもたちが置かれている経済的状況を考える |
研究所では所員以外の方にも参加していただく公開研究会を開いている。 今回は深刻化する子どもたちの貧困の問題に焦点をあわせて開くことにした。 いわゆる 「子どもの貧困率」 は年々上昇し、 2009年には15.7%に達し、 国際比較では日本は先進国中ワースト 9 位とも伝えられるまでになっている。 家庭の経済状況によって、 教育に格差が生まれ、 自己肯定感や意欲、 将来への希望をうしなう結果になってはならない。 子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されないように、 貧困の連鎖を食い止めるとりくみが求められている。 具体的には、 学びを支える就学支援、 奨学金などの制度の充実が必要である。 それ以外にも課題は様々な方向に広がると思う。 研究所としても、 子どもたちがおかれている貧困と格差の問題に関わっていきたいと考え、 その手がかりとしてこの公開研究会を開くことにした。 公開研究会は 7 月27日という暑い盛りであったが、 40名を越える方々に参加していただくことができた。 最初は、 小中学校におけるスクールソーシャルワーカーのとりくみなどについて、 「小中学校における経済的課題を抱える児童生徒」 というタイトルで、 横浜市教育委員会事務局東部学校教育事務所長の齋藤宗明さんに報告していただいた。 続いて 「小学校における就学援助の現状」 というテーマで、 横浜市立小田小学校事務主査の内田摩衣子さんに報告していただいた。 このように高校現場ではあまり聞くことのできない、 小中学校における状況についての報告を 2 本お願いした。 その後、 定時制に通う生徒の現実について翠嵐高校定時制教員の鳥山洋さんからお話しいただき、 さらに高校における奨学金取り扱いの現状について県立横浜桜陽高校教員の久世公孝さんからお話しをいただいた。 その後の討議の時間を十分にとることができなかったことは残念であった。 しかし、 今後の研究をすすめる上での手がかりをつくるという意味では、 十分な成果を得ることができたと思う。 研究会のコーディネーターからの会議を終えての感想、 これに参加者の方から寄せていただいた文章を加えて、 今回の公開研究会の報告としたい。 |
(教育研究所) |
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