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NPOを通して感じたこと

守田 浩平

 私が参加しているNPOは学習支援が主な活動ではあるものの、 実際には子どもたちの 「居場所作り」 を重要視している所があります。 私が参加する時にスタッフの方に 「学習支援ではあるけれども、 強制したものではいけない。 あくまで居場所を作ることが重要だ」 と言われました。 学習を強制するのではなく、 子どもたちの主体性を大切にして、 あくまで居場所を提供し、 学習する際にはボランティアの補助等が入るという形で行われています。 ボランティアと子どもたちの信頼関係も築けていて、 恋人関係の話や家庭の話など深い話をしてくれたりもします (私は今まで恋バナに参加したことはありませんが)。 恐らくこの教室が彼らにとっての居心地の良い 「居場所」 になっているからこそ、 そのような話が出てくるのではないかと思っています。 また私がボランティアに参加する中で、 その教室が私自身の 「居場所」 にもなってきているように思います。 子どもたちと話したり、 一緒に学習することはとても楽しく、 毎回笑顔が絶えず、 教師となる上で私自身の勉強にもなりますし、 癒しの空間でもあります。
 少し話は変わりますが、 現在の若者は 「居場所」 を求めて彷徨っているように感じます。 インターネットにおいて、 Twitterに画像を投稿し、 問題行動が発覚する事件が後を絶ちませんが、 私は一種の居場所探しではないかとも感じてしまいます。 リツイートをされることによって自己承認や繋がりを求めているように思えてならないのです (問題行動を通して、 欲求を満たすのはどうかと思いますが)。
 とはいえ、 このNPOに参加して思うことは、 私は今ボランティアで行っている活動が学校で出来ないか、 つまり、 学校こそが 「居場所」 になることは出来ないかということです。 何故そう考えるのかというと、 生徒にとって学校という場所が 「居場所」 になれば、 学校生活に対する意欲が高まると考えるためです。 しかし、 如何に 「居場所」 を作るかを考えてもなかなかいい案は浮かんで来ませんでした。 でも、 子どもたちは何処かに居場所を欲しているでしょうし、 学校の中に居場所を見出せない子どももいるでしょう。 今の私に思いつくことが出来たのは学校を居場所とすることが出来なくとも、 地域で 「居場所」 作りをすることは出来るのではないかということです。
 私が参加しているような学習支援のNPOは各地で近年増加しており、 連携を取って共に生徒を見ていくことは可能でしょうし、 外部の機関との繋がりを持つことで、 地域として子どもを見るという体制作りも可能となります。 またもし直接連携することは出来なくとも、 チラシを配って情報提供等をするのも良いと思います。 その結果として、 子どもたちが自らの 「居場所」 を見つけられれば、 それ以上に良いことはないと思います。
 現在の日本は社会も生きにくい社会になってきていますが、 学校もスクールカースト等の問題で生きにくいと感じる子どもたちも多くいると思います。 そのような子どもたちも 「ここが私の居場所だ」 と感じることが出来る環境作りを、 教員になった際にはきちんとしていきたいを思っております。 これで多くの生徒が救われるのであれば、 やる価値はあると思っていますし、 人生を賭して行っていきたい教育活動です。
 とはいえ、 まだ教員では無い私は教員採用試験を越えないといけませんので、 これから受験勉強に戻ろうと思います。 稚拙な文章を最後までお読みいただきありがとうございました。

 (もりた こうへい 國學院大學)


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