●学校の現場から● |
高校時代、熱心に取り組んだボランティア活動 |
北 川 麻 登 |
<一人でも通った養護学校:小学校時代> 私が通っていた小学校 (横浜市立) には、 「扉」 一つ隔てた形で、 養護学校が併設されていました。 行事などは全校で、 日常生活ではクラスごとの交流が行われていました。 私のクラスは給食をみんなで食べに行こうという交流内容でした。 ところがクラスメートたちは、 重度の重複 「障がい」 を持つ養護学校の子どもたちを汚いとか、 コミュニケーションが取れないのでいらいらするとか言いだし、 誠意を持って接することが出来なくなり、 6 年の時、 養護学校の方から、 クラス単位での交流は断られてしまいました。 でも私は、 養護学校の生徒と一緒にいることが心地よかったので、 給食の時間は、 一人で 「扉」 をあけて、 自分の給食のトレイを持って通いました。 物を隠される、 悪口を言われる、 暴力を受けるなどの 「いじめ」 がひどくなった頃でした。 6 年生の時には、 理科の実験で机にこぼれていた液をスポイトで顔にかけられ、 リトマス紙で確認したら、 それが塩酸の希釈液だとわかったという事件がありました。 頭が真っ白になり、 我慢できずに相手を攻撃したら、 筆箱の中身を粉々にされました。 担任の先生には、 私が責められ、 先生に強い不信感を抱くようになりました。 相手の保護者の謝罪は筆箱の件だけでした。 勇気を出して 「学活」 の時間にみんなにやめて欲しいと言ったけれど、 みんなの反応は 「うざい奴」 という感じで、 担任にはもうこれ以上、 その話はしないように言われました。 日々何かが起こるので、 人と関わるのが怖かった 6 年生の頃の私にとって、 養護学校は、 ホッと出来る自分が出せる居場所だった気がします。 <部活でもひどかったいじめ:中学校時代> 中学校は地元の市立中学校でしたが、 クラスだけではなく、 部活動での 「いじめ」 も深刻でした。 年齢を重ねた分、 やり方は卑劣でした。 部活では同級生が後輩にもけしかけたので、 みんなのターゲットにされ、 悪口を言われたり、 物を壊されたり、 暴力を受けたりは日常的でしたので、 常に身構えているような状況でした。 ジャージを脱がされそうになり、 抵抗したらそのジャージに火をつけられそうになったこともありました。 担任は、 相手を注意する等してくれましたが、 状況は変わりませんでした。 顧問は、 話は聞いてくれましたが、 何もしてはくれませんでした。 養護学校は、 総合学習のプログラム 「街から学ぶ」 で訪ねただけで、 積極的に関わる機会はありませんでした。 <新天地の高校で取り組んだボランティア> 高校は、 とにかく遠い、 知っている人が誰もいない学校ということで選びました。 それでも入学式の日、 教室のドアを開けるときの緊張、 また何かをされるのではないかという不安だった気持ちは今でも忘れることはできません。 ところが高校の生活は今までと一変、 いじめられることもなく、 楽しい充実した日々となりました。 まさに新天地でした。 系列の科目にもたくさん挑戦をし、 いろいろな学びや発見がありました。 一生懸命できることをやっていたら授業だけでなく、 その他ボランティアで 3 単位、 漢字検定等々でさらに単位認定を受け、 卒業時には94単位になっていました。 2 年次からは社会福祉委員会に所属し、 そこでもボランティア活動をしましたが、 中心は地元の複数の地域ケアプラザの紹介で参加したボランティアで、 特別支援学校にも行きましたし、 お年寄りとの交流もたくさんしました。 特別支援学校のボランティアはプールに一緒に入って遊んだり、 買い物に一緒に行ったりという程度のものでしたが、 夏休みに保護者の負担軽減という役割も果たしていると説明を受けました。 3 年間で100時間をかなり超えるボランティアに参加しましたが、 もともと思っていたことですが、 ますます 「健常」 とか 「障がい」 とか分けるのが変だと思うようになりました。 誰でもできないことや苦手なことがあるはずだし、 欠点探しをしていけばきりがないけれど、 良いところを探そうとすれば、 どんな人ともコミュニケーションは成りたつと思います。 今、 将来バーテンダーになりたいという夢を実現するために、 専門学校の国際ホテル学科で学んでいます。 高校時代の関係で、 今も地域で福祉系のいろいろなボランティアの声がかかり、 可能な範囲で参加しています。 今のところ福祉を仕事にしようとは思っていませんが、 ボランティアはこれからも出来る範囲でやっていきたいと思っています。 ※2010年 7 月29日に実施したインタビューをまとめました。 文責 樋浦敬子 |
(きたがわ あさと 藤沢総合高校2010年 3 月卒業) |
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