大阪の1987年度の公立中学卒業者数は147,907人をピークに減少に向かう。1998年度には公立中学校卒業者数が88,945人(ピーク時の60.1%)となった。2008年度には7万人を割り、ピーク時の50%を下回るものと予想される(『教育改革プログラム』大阪府教委1999年4月刊)神奈川では、同じく1987年度に公立中学校卒業者数が122,167人とピークを迎え、1998年度には77,424人(ピーク時の63.4%)となり、ボトムと推計される2005年度には62,880人と51.5%となる。以後神奈川では漸増傾向を示すが、2013年度まで68,000人を越えることはない(『活力と魅力ある県立高校をめざして 県立高校改革推進計画』神奈川県教委1999年11月刊)。数字の上では、神奈川の生徒数の減少は急速に進むものの、大阪の生徒の減少率は50%以下と激しいように思われる。
大阪府の公立高校の学区は9学区あり、公立の普通高校(専門学科併置校は除く)は学区内5校から21校まで学区によって異なり、全部で117校ある。それに全府1学区の普通科・専門学科併置校25校(多くは理数科、英語科、国際教養科など)、総合学科高校4校、専門高校34校を加えると、大阪の全日制公立高校は180校となる。神奈川の公立高校の学区は18学区であり、公立の普通高校は学区内5校から12校までと、全部で150校(専門学科併置校の私立川崎高校と単位制普通科の神奈川総合高校を除く)ある。全県1学区の専門高校が30校、単位制高校1校、総合学科高校1校を加えると、神奈川の全日制公立高校は182校となる。大阪の普通高校と普通科・専門学科併置校を合わせた数が142校となり、神奈川の普通科150校と大差はない。また、全日制公立高校の総数においても、大阪の180校と神奈川の182校とほぼ同数である。ただ学区の数が、神奈川は大阪9学区に対して、18学区と倍の数である。
大阪では全日制高校進学率は1998年度以前は91.0%と算定されていた。そして1998年度より92.3%と算定されるようになった。定時制・通信制を含めた高校進学率は約96%程度である。神奈川では、全日制高校進学率を1999年度まで93.5%としていたが、2000年度から94%と算定している。定時制・通信制を含めると高校進学率は96.5%を越える程度となる。
大阪の全日制公立高校の入試制度は、推薦制は導入されていないが、入試時期は2回ある。2月20日頃に行われる入試では、総合学科4校(府立3校、私立1校)と理数科3校、国際教養学科9校の全定員とそれ以外の専門高校の定員の半数の合格者を決める。3月中旬には専門高校の定員と残りの半数と全ての普通高校の入試がが行われる。神奈川は普通科専門コース(定員の10%)と専門高校(定員の30%)の推薦入試の後、2月中旬に全日制高校の一斉の入試が行われるが、受験生は2校志願できる。第1希望で定員の80%の合格者を決めた後、第2希望の20%の合格者を決めて、合格発表は同時に行う。普通高校の学区外合格者の枠は神奈川は8%あるが、大阪では特定中学を指定した調整募集枠のみで、一律の学区外合格者枠はない。
大阪の入試選抜は、学力検査(普通科は5教科、その他総合学科等は3教科)400点、内申440点の計840点で序列化されて決定される。ただし、定員数の上下にボーダーゾーンが設定されていて、総合学科は30%(定員内15%と定員外15%)、専門高校は10%(同)普通高校は5%(同)については、各高校で学力検査重視か内申書重視で合否判定がなされている。総合学科高校はこの30%に面接結果を反映させている。神奈川は学力検査(普通科は5教科、その他は3〜5教科)40%と調査書の評定60%で序列化して第1希望の定員の70%(全定員の56%)を決定する(普通科専門コースと専門高校は事前に公表した「選考にあたって重視する内容」での選考も可)。第1希望の定員の30%と第2希望の定員(全定員の44%)に関しては、事前に公表した「選考にあたって重視する内容」に従って合格者を決める。