神奈川県高等学校教育会館

酵母を光らせる

酵母を光らせる会
  
 細胞壁局在性のインベルターゼ欠損出芽酵母であるSEY6210(MATα Leuー3112 ura3ー52 his3Δ200 trp1ーΔ901 lys2ーΔ Robinson et al、、801 suc2ーΔ9 1988)に大腸菌と酵母のシャトルベクターであるYEpSUC02(7133bp)の持つアンピリシリン耐性遺伝子とインベルターゼ遺伝子とSUC3遺伝子に加えて、光る為の装置として以下の条件で工夫を加えた。
  1. オワンクラゲの遺伝子であるeGFPを含むベクターを鋳型として、Upper primerとLower primerを用い、PCRにて734bpのeGFPコーディング配列を増幅する。
  2. PCR産物をアガロースゲル電気泳動し、eGFPを含むDNA断片を回収する。
  3. 制限酵素BglUにて切断
  4. アガロースゲル電気泳動にてeGFPを含む断片を回収する。
  5. 酵母YEpSUC02plasmidを制限酵素BglUにて切断。
  6. アガロースゲル電気泳動にて生成物を回収する。
  7. 5)で切断した酵母YEpSUC02plasmidを4)で切断したeGFPを含む断片 とをライゲーションする。(必要があればYEpSUC02plasmidはフォスファターゼ処理しておく)
  8. 大腸菌(JM109)に形質転換する。すなわち、アンピシリン耐性のコロニーを得る。
  9. コロニーからのDNAの抽出と制限酵素によるコンストラクトの確認
    コロニーからplasmid DNAを抽出し、制限酵素NcoT切断し、断片サイズを測ることによって確認する。SUC2プロモーターの制御下で、SUC2のコードするインベルターゼにeGFPが融合したたんぱく質を発現する。
  10. 酵母(SEY6210)に形質転換
    酵母への形質転換は、YEpSUC02plasmidに載っているURA3マーカーによってウラシル要求性でコロニーの選抜を行う。YEpSUC02は、大腸菌のレプリコンと酵母のレプリコン(2μ)を同時に持つ、シャトルベクターである。
  11. SUC2のプロモーターは、高濃度(10%)のグルコースで発現が抑制され、0%グルコースに培地を替える。これによってSUC2:eGFP融合たんぱく質が合成されるようになる。SUC2にコードされるインベルターゼは細胞質ではなく細胞壁に99%留まるためSUC2:eGFP融合たんぱく質も細胞壁に高い割合で留まることが期待される。このため、肉眼でも紫外線を照射すると緑色蛍光を観察することができるものと期待される。
    SEY6210株はSUC2遺伝子が破壊されており、グルコースによるSUC2の抑制が強くかかることが期待される。
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