学校の現場から
高校生の声
「高校生活、 心に残ったこと」
 
友利 春美

高校での出会い
 私の高校生活で、 心に残っていることは様々な人達との 「出会い」 です。
 人見知りをする私は、 大きな不安を抱えて高校に行きました。 しかし、 不安とは裏腹に中学時代の友人がいたおかげで、 いろいろな人達と話すようになりました。 そして、 積極性というものが身に付き、 高校生活を思いっきり楽しみたいと思うようになりました。 そこで私は、 二人の友人に 「文化祭で歌わない?」 と声をかけ、 三人でチェリーパイというグループを作りました。
 次の日から私たちは、 曲を選んだりしてやる気満々でした。 しかし、 練習したり、 文化祭に出るためには、 顧問をつけなくてはいけませんでしたが、 入学したばかりの私たちは、 どの先生に頼めばいいかわからず、 なんとなくこの人ならやってくれると思った一人の先生にお願いをしに行きました。 面倒見のいい先生は、 悩みながらも、 引き受けてくださいました。 そこから先生の協力のもと、 本格的な活動が始まり、 毎日遅くまで練習をし、 夏休みもほとんど練習に明け暮れていました。 とても楽しかったけれど、 思いどおりに行かないときもあって、 仲間割れをしたり、 やめてしまいそうになったときもありました。 そのたびに先生が動いてくれて、 私達の絆は深まっていきました。
 いろいろなことを乗り越え、 文化祭当日、 今までにないくらい緊張してきましたが、 一番上手に歌えて、 たくさんの拍手をもらい、 とても気持ちがよくて、 最高な時間になりました。 今までで一番の思い出です。
 こんな素敵な思い出ができたのは、 二人の友人と顧問の先生がいてくれたおかげです。 この出会いがなければ、 文化祭に出る勇気も出なかったし、 仲間というものも知れなかったと思います。 高校に行ってよかったと思うし、 この出会いは、 一生の宝ものです。

中学生の時の自分に伝えたいこと
 中学時代の私は、 ものすごく臆病ものだった。 小学生の時に受けたイジメから、 中学に入ってもトラウマが抜けなくて、 毎日暗闇の中にいる気がして、 ビクビクしながらすごしていた。
 今の私は、 あの頃に比べると周りの人に言われるほど、 とても明るくなった。 中学の同級生があまりいない高校に入学し、 今まで出会ったことのない人達と接して、 初めて学校生活というものを味わった。 接客のアルバイトを始め、 そこでもいろいろな人達と接して仕事の大変さ、 つらさ、 人から感謝されることの喜びを知り、 光が見えてきた気がする。
 今でも、 視野が広くなってきた分いろいろなことが見えて来て、 いろいろな体験をして、 つらくて消えてしまいたいと、 暗闇にいる時がある。 きっと中学時代の私のままだったら耐えられないぐらいの暗闇に。 でも。 今の私はあの頃とちがう。 暗闇の中から光を見つける力がある。
 明るい未来なんて来ないと思っていたあの頃の私に伝えられるなら、 こう伝えたい。
  「大丈夫だよ。 ちゃんと成長できているよ。 めっちゃつらい時もあるけど、 一人じゃないから。」 と。
 あの頃の私があって、 今の私がある。 これからも、 頑張ろうと思う。
                     
(ともり はるみ 厚木清南高校 3 年)

東  祐司

 私は友利さんと文化祭の顧問として 1 年間接してきました。
 中学時代をフリースクールと別教室通学で過ごした彼女は、 定時制高校に進学し少しずつ成長してきました。 高校 3 年生となった現在、 日々の生活のなかで生じる様々な壁に、 悩んだり、 元気を取り 戻したりしながら一歩ずつ歩みを進めていきます。
 彼女が 「学校生活」 で得られた経験を糧に 「乗り越えていける心」 を獲得していく様子を彼女の言葉で書いてもらいました。

 (ひがし ゆうじ 元県立高校臨時的任用教員)
ねざす目次にもどる