特集 T 「県立高校改革推進計画」 を考える |
「県立高校改革推進計画」 を取り上げるにあたって 教育研究所 |
県立高校改革推進計画が今年度で終了する。 そもそもの発想は生徒数の減少に伴って学校数をどう削減するか、 ということだったと思われるが、 それにとどまらなかった。 推進計画は、 神奈川県で実施されたこれまでの教育計画と比べてもより大きな影響を高校教育に与えた。 これまでの教育計画がどちらかと言えば量的な変化を伴ったのに比し、 今回は質的な変化をもたらした。 1960年代には、 最初は第一次ベビーブームによる生徒増に対応して、 後半は進学率の上昇に対応して技術高校、 貿易外語高校、 二俣川衛生看護科など多様な学科が作られた。 しかし、 中心は工業高校や普通科の増設で、 既設の高等学校にまで大きな影響を与えることはなかった。 百校計画は、 1973年から14年間に百校の高校を新設するという増設計画であった。 1972年までに開校した公立高校 (全日制) は81校であったから大きな量的変化を遂げたと言える。 しかし、 1 校を除いて普通科の新設であり、 当初新設校の多くは、 その学区の上位校をモデルにして学校づくりをするのが普通であった。 既設の学校の職員にすれば、 転勤先がふえたから関心はあっただろうが、 これまでの常識を変更しなければならないような出来事ではなかった。 今回はすべての学校にその影響が及んでいる。 これまでの量的な変化が生み出した課題をこれ以上先送りにできなくなったとも言える。 研究所では、 当初推進計画を俎上に乗せ、 総論的に分析、 検討を行うつもりであったが、 はじめてすぐに、 できないことに気づいた。 計画は高等学校の制度的な側面やカリキュラムから、 学校組織にまで及んでおり、 全容を簡単には把握できなかったからである。 そこで 「ねざす」 の44号ではできるだけ多くの方に推進計画に対する、 ご意見、 ご感想を書いて頂くことにした。 様々な立場の方に書いて頂いたつもりである。 今後、 今回掲載されたご意見等も参考にしながら、 研究所なりの推進計画に対する 「まとめ」 を行っていきたいと考えている。 そのため、 引き続き、 学校現場を中心に広い立場から多くのご意見をお寄せいただきたい。 なお、 特集の最後に年表と、 再編された学校の校名と学科等がわかる表を掲げた。 あわせて参考にしていただければ幸いである。 |
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