教育この1年(2008.4.〜2009.3)
3月 28日 文部科学省は小中学校の新指導要領と幼稚園の新教育要領を告示した。 改定案から比べると総則に 「「わが国と郷土を愛し」 という文言を入れるなどの修正を行った。
31日 東京都教委は、 卒業式で君が代斉唱時に不起立だった教員を停職6ヶ月の処分にした。
4月 8日 入学金など約 9 万円が未納として、 千葉県八千代市の県立八千代西高校が新入生の男女 2 人を入学式に出席させなかった。
18日 文部科学省は22日に実施する全国学力・学習状況調査 (全国学力テスト) に、 参加する生徒の最終的な集計を発表した。 小中学校を合わせた参加校数は、 公立では愛知県犬山市を除く計 3 万1910校。 国立は全157校が参加するが、 私立は53%に当たる475校で、 参加率は昨年から 8 ポイント下がった。
19日 都道府県立高校の授業料と入学金の滞納額は平成18年度だけで計約 4 億3887万円に上り、 滞納した生徒は延べ8048人だったことが、 共同通信の全国調査で分かった。 授業料滞納額のトップは大阪府、 次いで北海道、 東京都の順。
21日 神奈川県教育委員会は、 県立高校と県立特別支援学校で、 今年の卒業式と入学式の国歌斉唱時に起立しなかった教職員数を調査した結果、 卒業式が28校48人 (前年は27校48人)、 入学式が26校34人 (同17校25人) だったと発表した。
5月 16日 文部科学省と厚生労働省は、 幼稚園と保育所の一体型施設として平成18年10月にスタートした 「認定こども園」 が、 4 月 1 日現在で229カ所となったと発表した。 19年度の新規認定は135件にとどまり、 待機児童解消のため 「早期に2000件以上」 とする目標にはほど遠い状況。
21日 都立三鷹高校の校長が、 都教委の、 職員会議で挙手や採決を禁じた通知の、 撤回を求めていることがわかった。
6月 11日 経済的な理由で平成19年度に私立高校を中退した生徒が少なくとも全国で407人 (調査対象生徒数比0.21%) に上ることが、 全国私立学校教職員組合連合 (全国私教連) の調査で分かった。 10年度の調査開始以来、 最悪を記録した。
23日 公立学校の若手女性教職員は 8 人に 1 人が、 勤務している学校でセクシュアルハラスメント被害の経験があることが、 全教 (全日本教職員組合) のアンケート調査で分かった。
28日 文部科学省は、 日本で暮らす外国人の子供について、 中学校入学資格の条件を緩和し、 小学校を卒業していなくても中学校への入学を認める方針を固めた。
7月 1日 政府は、 教育振興基本計画を閣議決定したが、 数値目標は盛り込まれなかった。
26日 高校生の保健室登校が、 5 年間で 2 倍になっていることが日本学校保健会の調査でわかった。
29日 教員採用試験の選考基準を45教委で公開した。 一方、 教員採用試験で匿名採点を行っているのは17教委だけであることも判明した。
8月 4日 高卒認定試験に 1 万7000人が応募した。
9月 26日 学校選択制について東京・江東区が見直しを行い、 小学校は学区内を原則とすることを決めた。
10月 18日 学校裏サイトに関連して都教委は来年度から全公立2200校を監視することを決めた。
28日 神奈川県立神田高校で、 入学試験で選考基準になっていない茶髪や眉そりなどをチェックし、 該当する受験生を不合格にしていたことがわかった。 本来の基準では合格圏内にいながら不合格にされた生徒は過去 3 回の入試で22名になるという。
11月 4日 ネット調査によると全国学力テストで80%が結果の開示を求めていることがわかった。
17日 君が代斉唱の際に不起立だった教員の氏名収集を県教委が行ったのは、 不当だとして、 情報消去を求め、 氏名収集された教員らが横浜地裁に提訴した。
18日 君が代斉唱の際、 起立するよう国として指導したい、 と塩谷文科相が強調した。
25日 都教委の調査によると 「自分に満足」 と答えた生徒は日本 9.4%、 米53.5%、 日本は子どもたちの自尊感情が低いことがわかったとして、 都教委は指導法を研究することになった。
28日 東京都立日本橋高で入試得点を改ざんしていたことがわかった。 改ざんされていた受験生は、日本橋高校を退学して再受験した元生徒 2 人で不合格となっていた。
12月 3日 大阪府教委は、 小中学校へのケータイ電話の持ち込みを原則 「禁止」 する方針を明らかにした。 府立高校でも校内使用を原則禁止する。
10日 国際数学・理科教育動向調査で日本は、 理数学力が下げ止まり小中 3 科目では改善が見られたことがわかった。
16日 福岡高裁は、 君が代斉唱時不起立だった教職員らが市教委から受けた処分などの取り消しや損害賠償を求めた裁判で、 1 審の原告勝訴部分を取り消し、 処分は適法だったと判断した。
18日 全国学力テストの市町村別と学校別の結果を開示できるようにするため、 鳥取県が提案した情報公開条例改正案が可決された。
22日 全国学力テストで唯一 2 年連続でしなかった愛知・犬山市教委は、 学力テストに反対の委員長を解任した。
26日 昨年度の公立高校で教職員の病気休職のうち精神疾患は、 4995人になり、 15年連続で増加した。
13日 秋田県は、 県内市町村の全国学力調査の科目別平均正答率を県のHPで公表した。 県内市長村教委は強く反発している。
1月 8日 神奈川県立高等学校の06年度の全在校生11万人分の個人情報がインターネット上に流失したと県教委が発表した。 流失したのは、 住所、 氏名、 電話番号、 授業料の振替口座などで削除できない状態が続いているという。
9日 全国学力テストについて、 秋田県の公表が続くなら参加しないと藤里町教委が不参加を表明した。 文科相は、 このことについて知事の見解を聞きたいと不快感を表明した。
20日 東京地裁は、 都が卒業式などで君が代斉唱時に不起立だった教員の、 退職後の再雇用を拒否したのは違法だとして、 賠償命令をだした。
30日 生活保護を受ける世帯の中学生の不登校発生率が、 生活保護や修学援助を受けない中学生の4.8倍に上ることが東京都板橋区の調査でわかった。
31日 文科省は、 携帯電話についての全国の公立学校の取り組み状況の調査を踏まえ、 「小中学校は、 持ち込みを原則禁止」 「高校は、 校内での使用を禁止」 とする指針を決めた。
2月 1日 都教委の職員会議での挙手禁止通知に反対している都立三鷹高校長は、 退職後非常勤講師を希望していたが、 採用されないことがわかった。 懲戒処分歴がない校長経験者が、 不採用になるのは極めて異例。
6日 全国体力テストについて鳥取県教委は、 情報公開請求があれば、 09年度分から市町村別と学校別の結果を原則開示する方針を明らかにした。 文科省は、 都道府県教委が市町村別、 学校別結果を公表することを実施要領で禁止している。
10日 日本私立中学高等学校連合会が発表した調査結果によると、 08年12月時点で授業料を滞納している私立高校生は全体の2.7%、 3 月の調査の三倍になっていることがわかった。 滞納が確認されている生徒は約24500人。
12日 09年度中に実施される教員採用で、 すべての都道府県、 指定市教育委員会が採用基準を公表する予定であることが文部科学省の調査でわかった。
18日 4月からすべての小学校で英語の授業が始まるのを前に、 旺文社が全国500の小学校から集まったアンケート結果をまとめたところ、 53%の小学校が不安を抱いているという結果が出た。 教育委員会で不安を抱いているのは20%ほどだった。
24日 日教組教研集会が 3 日間の日程を終え閉幕した。
3月 9日 神奈川県立神田高が05、 06、 08年度入試で、 試験成績が合格基準に達しながら身なりや態度を理由に受験生22人を不合格とした問題で、 県教育委員会は,前校長と、 元校長をいずれも停職 3 カ月の懲戒処分とした。 当時の副校長ら 3 人も減給や戒告の懲戒処分とした。
14日 文科省は、 高校の新指導要領を告示した。
15日 障害を持つ児童・生徒向けの性教育をめぐって厳重注意を受けた東京都立七尾養護学校の元教員らが、 教育への不当な介入だとして都や都議に損害賠償などを求めた訴訟で、 東京地裁は210万円の支払いを命じた。
20日 職務命令に違反して君が代斉唱時に起立しなかったなどとして、 東京都教委から懲戒処分を受けた都立学校の教職員ら172人が、 都を相手取り処分の取り消しと 1 人55万円の賠償を求めた訴訟で、 東京地裁は26日、 請求を棄却した。 裁判長は 「職務命令は思想、 良心の自由を侵害せず、 処分にも裁量権の逸脱はない」 と述べた。
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