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杉山 宏 |
(十一) 63年の荒木文相の中教審への 「後期中等教育の拡充整備について」 と題した諮問は、 答申の出る以前から反響があった。 65年 1 月20日、 全国高等学校長協会は 「わが国の教育は、 戦後の教育改革によって、 量的には著しく拡大普及した。 しかし、 その内容においては、 改善を要する点が少なくない。」 という書き出しで、 『 「後期中等教育のあり方」 に関する意見書』 を出している。 同意見書は職業科の学科について改善を要する重点事項を挙げているが、 「工業に関する学科」 として、 工業教育はとくに学校教育のワク内だけで考えることは困難であり、 産業社会と学校との両者共同の責任で、 技術者を育てるという態勢を必要とする。 科学技術の 「高度の進歩」 「作業の単純化」 「生産の巨大化」 によって中級の技術者は、 上の方に引き上げられた技術者 (テクニシアン) 群と作業ラインに接した群とに分化する。 この傾向と 「工業高校倍増」 による生徒増との関連から、 工業高校をつぎの二つの教育内容をもったものに分けるべきである。 イ 技術を主とする学校=つぎのロとの分別によって、 現在よりも内容設備の整理ができる。 ロ 技能を主とする学校=とくに倍増した新しい層の少年たちを有能で自信をもった工業人とするため、 この種の学校を多くする必要がある。 このイとロはそれぞれ単独の学校であることが望ましい。 としていた。 次いで、 同月28日に、 工業高校長協会が 『後期中等教育における工業教育の改善に関する意見書』 を出した。 全国校長会とほぼ同じ趣旨のことをやや詳細に述べており、 「工業教育は単に学校教育のワク内だけで考えることは不可能であり、 教育一般の問題の上に、 更にわが国経済の根幹をなすところの工業生産に必要な技術要員を、 産業社会と学校との両者共同の責任で育てるという強い分業態勢で考えたい」 という基本姿勢で、 「工業教育をどうするか」 に関しては、 工業高等学校を、 「技術を主とする学校」 と 「技能を主とする学校」 に分け、 「同一学校内の二つのコースとしても可能ではあるが」 としながらも、 別の学校である方が望ましいとしている。 そして、 この 「技術を主とする学校」 の場合でも、 「技能高校などと別の名称で呼ぶには当たらない」 と記している。 また、 企業内の青少年が中学卒業後の数年間は、 何等かの形の教育を受けられるようにすべきであるとし、 「産学協同の工業高校」 作りに触れ、 企業と定時制・全日制との連携例を述べている。 更に、 各種の技能学校の振興策も建議している。 工業高校長協会の意見は、 産業界の意見とはやや傾向を異にしていた面もあるが、 技術系と技能系の質の異なった工業高校づくりを提案していた (1) 。 同65年 2 月 5 日に、 日経連が 「高等学校進学率上昇の過程で、 生徒の能力、 適性には著しい開きが生じているにも関わらず、 画一的な教育が行なわれ、 また、 上級進学中心の教育が行なわれるため、 基礎知識教育は徹底されず、 人間形成も軽視されがちである。 同時に、 技能に対する社会的な軽視の風潮から知識教育が中心となり、 技能教育は一段低くみなされている」 と高校教育の問題点を指摘した 『後期中等教育に対する要望』 を提出している。 学校教育については、 高校教育の改善として、 @技能に関する学科の新設、 Aコ−ス等の多様化、 B教育内容の充実、 C通信制課程、 定時制課程の改善、 の 4 項目を挙げ、 企業内教育については、 @企業内訓練施設の技能学科中心の高等学校への移行、 A企業内訓練施設での教育の高等学校単位としての認定の拡大、 B一般教養教育と家庭科教育を主とする企業内教育施設の別種の高等学校 (家政高等学校) への移行、 の 3 項目を挙げている。 企業内の教育訓練施設の内で充実したものは、 技能高校や家政高校として認めよと要望している。 2 月15日に県教委は 『神奈川県における勤労青少年の労働生活と教育要求』 と題する後期中等教育制度の整備拡充に関する第 2 次報告書を出している。 報告者の清水義弘氏は技高については触れておられないが、 本報告 「まえがき」 の教育長記述中には技高問題も考慮しての報告書作りと取れる面がある。 即ち 「まえがき」 には 「近年、 急激な経済の高度成長にともない、 産業技術の革新と消費構造の変化がいちじるしく、 これらが労働力に要求する知識、 技術については、 中学校卒業程度では不十分となってまいりました。 また、 青少年の教育に対する認識と要求が高まりつゝあり、 この要求に即し勤労青少年に教育の機会を与えるよう教育内容も実状に適合すべく全面的に再検討することが要請されています。 当教育委員会としては、 このようなことがらに即応する諸施策を講ずる反面、 東京大学教育学部教育社会学研究室清水義弘助教授に、 更に詳細に渉る調査研究を委託し、 実証的に把握し、 後期中等教育制度拡充の基礎資料とすべく昭和38年度から実施してまいりましたところ昭和39年 3 月に 『勤労青少年教育の機会とその教育内容』 について第 1 回の報告を受け、 続いて、 第 2 回の報告として 『勤労青少年の労働生活と教育の要求』 について本回報告を受けましたので、 第 2 次報告書を刊行いたすことになりました。 この報告書の趣旨を十分汲みとり今後の教育行政に活用してまいりたい所存でありますがこの報告書を通じて多くの方々が、 後期中等教育に対する理解と関心を高められますよう希望いたします」 とある。 (十二) この65年においては県内の高校多様化は更に進み、 4 月に貿易外語高校が新設された。 また、 7 月に神高教横浜技高分会が結成されると、 開校後、 多発する技高問題を検討するため、 8 月に神高教は、 大船技高・川崎技高・横浜技高の 3 分会連絡会議を開催した。 更に、 11月には第 2 回 3 分会連絡会議を開催し、 会議で集約された問題点に基き、 指導部長交渉を行い、 生徒の夏季休暇延長検討、 生徒指導上の問題点検討、 実験実習費増額等の確認を得た。 同月、 県教委は、 技高の創設時における考え方、 構想を、 関係者に了解して貰いたいとして 『神奈川県立の技術高校』 と題した冊子を発行している。 開校以来3 年目のこの時点で、 技高の現状に批判が高まりつつあった。 この中で創設時の考え方や構想を整理し、 技高制度の必要性を改めて県教委として述べておきたかったのであろう。 朝野六郎指導課長の本書 「まえがき」 は、 「貿易の自由化、 産業技術の発展に伴い、 今日の時代的要請として強く叫ばれ、 また世論の注目をあびている後期中等教育について、 その充実をはかるため、 本県では、 昭和38年 4 月に全国で初めての試みである学校教育と職業訓練を一体化した技術高等学校を創設しました。 後期中等教育の発展と拡充は、 教育の機会均等という個人的要請からみても、 技術革新という社会的要請からみても時代的要求であることは、 世界各国の実情に照らして明らかであります。 しかし、 日本では、 産業界の中核をになう技術者・技能者の教育・訓練の普及徹底が、 まだ十分とはいえず、 神奈川県内では相当数の技能者が不足しています。 正規の職業訓練を修了した青少年が、 高校卒の資格をとるため、 時間的、 身体的な困難さを克服して定時制高校に入学するのが通例となっていましたが、 これは、 職業訓練と学校教育との有機的結合が図られていないことから生ずるもので、 青少年にとっても、 事業所にとっても大変な損失であります。 技術高校は、 これらの問題を解決し、 青少年が誇りをもって優秀な技能者ヘの道を進めるようにすることをねらいとしています」 とあり、 この段階での県教委の見解を示すものといえる。 また、 本書は 「本県の公共職業訓練所の施設は、 優れており、 年間の訓練は、 48週に1800時間も行なうから、 訓練所をそのまま高校にできないか、 という意見もでる。 しかし、 簡単に高校にできるわけではない。 現行法令に違背してはならない。 そこで、 諸法令をはじめ、 学習指導要領の研究を何回となく重ね、 いろいろな形式を考え、 文部省にも何かと指導を受けて、 38年 4 月に開校の運びに持ち込めたのである。 技術高校は、 学校教育法に基づく定時制の高校であり、 工業に関する学科を設けている」 「年間35週の午前中が技術高校であり、 午後が職業訓練生として、 実習などの訓練を受ける」 と、 職訓と技高との結び付きについて述べている。 12月10日に神奈川県の 『第三次総合計画』 が発行されたが、 同計画中に 「技術高校の整備拡充ならびに連係教育の促進」 という項があり 「技術の進歩が著しい産業界に適応出来る技能者を養成し、 青少年の能力、 適性に応じた勉学の機会を拡充するため、 昭和38年度に技術高校 ( 4 校) を新設し、 昭和39年度には 3 校に分校を併設したが、 なお一層の教育振興を計るため、 更に技術高校 2 校を新設する。 また既設校についても施設設備の整備によって内容の充実を計るとともに、 現在の分校について独立校とするように努める。 なお、 通信制の併修についても検討する。 勤労青少年に勉学の機会を与えるため企業内技能教育施設と定時制・通信制の高校との連係教育を拡充するように努める」 としている。 技高制度の必要性を強調する県教委は、 この段階でも技高 2 校の増設を計画していた。 『神奈川年鑑1966』 は65年の県内教育界の動向を伝えているが、 特に、 第 3 次総合計画の中で県教委が当面の問題として取り上げた中に、 後期中等教育の充実強化のことがあり、 「生活水準の向上とともに中学からの高校進学率上昇は年々目覚ましい勢い。 これに反し中学卒業就職者は減少の一途で、 産業界での中卒需給関係は慢性的な窮迫に陥り, 県外からの中卒導入に力が入れられている。 また高校教育そのものも、 普通科偏重の傾向を依然脱しきれず、 技術革新に対応する産業界の要求から大きくかけ離れている実情だ。 そこで県教委でも、 定時制と公共職業指導所とを結びつけた技術高校の拡充、 定時制や通信制と企業内職業訓練所との連携、 女子職業高校の増設、 農業、 水産高校の体質改善など、 進学就職率の変化、 社会の要請に応ずる後期中等教育の改善、 充実を図っている」 としている。 この頃の神奈川県内定時制高校には、 優秀な能力を持った生徒が相当数在籍していたが、 それらの一部は、 大企業の養成工として勤務している者もおり、 企業側もそれら生徒の能力を熟知していた。 定時制・通信制高校と職業訓練所との連携成果によるマンパワ−の活用を産業界が夢見たのもそれなりの根拠はあった。 66年 3 月31日に川崎技高は南分校を廃止し、 4 月 1 日に横浜技高は鶴見分校設置規則の改正により同分校を廃止している。 7 月に県教委は、 県産業教育審議会に 『神奈川県における職業教育を行なう高等学校の設置学科について』 諮問している。 (十三) 66年 8 月 1 日に日経連は、 『技能高等学校の構想』 を発表した。 即ち、 「日本経営者団体連盟教育特別委員会では技能教育の重要性にかんがみ、 先に一定レベル以上の企業内訓練施設 (認定職業訓練所など) を技能高等学校として認可するよう中央教育審議会会長および文部大臣あてに要望したが、 技能高等学校の構想の概要は次のとおりである」 として、 目的、 教育課程、 教員、 施設・設備の 4 項目を挙げ、 概要 (2) としてはいるが、 かなり詳細に記している。 この日経連の技能高校構想を受けた後、 10月11日に有田文相は、 『高等学校における職業教育等の多様化について』 と題した諮問を、 理科教育・産業教育審議会に行なっている。 諮問理由は 最近における技術革新とこれを背景とした産業経済の発展は、 職種の専門的分化、 新しい職業分野の拡大等をもたらしている。 これに伴い、 高等学校卒業程度の者に対する社会の要請は、 資質の向上を求めるとともに、 多様な人材の育成を期待する方向に進みつつある。 一方、 義務教育修了者で高等学校へ進学する者の割合は最近において急速に増加しており、 昭和41年度においては、 義務教育修了者の72%以上が高等学校へ進学するにいたっている。 このため、 高等学校教育を生徒の適性、 能力、 進路等にじゅうぶん即したものとすることが当面の課題と考えられている。 また、 高等学校の生徒総数に占める女子の比率は年々増加しており、 昭和41年度では47%をこえ、 高等学校教育において女子の特性に対するさらに進んだ配慮が要請されている。 以上のような実態にかんがみ、 中央教育審議会に対して同審議会の第20特別委員会が行なった後期中等教育のあり方にっいての報告においては、 後期中等教育の拡充整備の一環として、 高等学校教育について 「普通教育を主とする学科および専門教育を主とする学科を通じ、 学科等のあり方について教育内容・方法の両面から再検討を加え」 る必要があると指摘されている。 この趣旨を実現するためにも高等学校における職業教育について検討を行ない、 新しい種類の学科の設置等により、 これを多様化することがきわめて必要であると考える。 なお、 この機会に、 科学技術の急速な進展に即して、 科学枝術の基礎をなす理科教育に重点をおいた学科の設置等についても検討する必要があると考える。 検討すべき問題点 高等学校における職業教育を主とする学科等として新たに設置することが適当な学科について、 次の諸点を検討する必要がある。 1) 学科の種類とその目標 2) 教科・科目の目標・内容等 3) その他学科の設置に関連する事項 とされている。 註 1) 工業高校長協会提出の意見書は、 「ピラミット型の技術者」 と 「工業高校出身者の占める立場」 を論じた後、 「工業教育をどうするか」 について、 (A) 工業高等学校 を、 上述 (注・工業高校出身者が中級の技術者群と技術的要素をもった技能者群に分化されてきたことが上述されている) のことと、 生徒倍増 (過去 3 年で卒業生が 8 万から17万) にも対応して、 技能的体験を重視しながら、 つぎの二つの方向に大別する必要がある。 勿論、 この中間に傾斜して多様の内容のものが考えられてよい。 (1)型 技術を主とする学校 科学技術の進歩に適応しうるため、 技術の中での基本的な面に重点をおく。 現在の工業高校は大体この方向を向いているが、 つぎの(2)と分別すれば現在よりもっと教育内容の整理が出来よう。 この場合、 技能的体験の価値を軽視してはいけない。 (2)型 技能を主とする学校 工業高校の倍増と高校進学率の上昇による新しい大きな層に属する作業型の少年達を、 有能にして自信をもった今日の工業現場人とするため、 この種の学校を増す必要がある。 (1)と(2)は同一学校内の 2 のコースとしても可能ではあるが、 それぞれ別の性格をもった個性のある学校であるほうが望ましい。 この場合、 (2)の学校を技能高校などと別の名称で呼ぶには当たらない。 教科科目の総合、 作業を基にしての教育に特徴を誇り、 工業界に実際に歓迎されればよい。 これらのことは学科によりても異なった形をとろう。 (2)の型を行なうには実習指導の教師の養成、 資格、 待遇について、 とくに考慮を要する。 以上のほかに工業高校の形態と活動は下記の産学協同、 各種の技能学校との融合、 組み合わせ等、 その他、 多様なものがあってよい。 (B) 企業内の青少年 が中学卒業後の数年間は、 何等かの形の教育を受けられるようにする (事業主に義務づける等)。 たとえば週、 昼間 1 〜 2 日など。 これに関連して(3)型 産学協同の工業高校 を作る。 ▽定時制 (並列型) 〓工場勤務中の業務と合わせて一体としての教育をする。 例えば昼間週 2 日程度、 夜間週 3 日程度の登校 ▽全日制 (サンドイッチ型) 〓工場に籍を置き、 例えば 3 ヵ月交代で学校で授業 これら工場に籍を置いたものは工場での狭いが深い経験のうえに、 学校でその背景と基礎をなす工学一般 (一般的な実習も含む) と一般教育を加える。 現在の工業高校の内容・程度にとらわれない。 全日制 (サンドイッチ型) では学校に籍を置いたものも考えてよい。 この場合の工場実習は実地に触れて直接間接に問題を発見しながら学ぶが、 工場は学校の実験実習をそっくり代行するところではない。 両者合わせて一本の教育である。 以上のようにして、 工業地帯では昼間定時制・夜間定時制の一つになった学校が出来る。 その他、 工業大学で普通高校卒業後、 ある年数の実務経験をもったものを優先入学させ、 その経験と問題を生かすことも. ぜひ考えなければならない。 小企業の連合、 職能組合等にも企業内訓練を及ぼさせるような奨励策を研究し、 上記の(3)型の学校と連絡する。 (C) 各種の技能学校 の振興 各種職能技能を専修する学校を国で奨励 (補助法等により) し、 その水準を高める。 高等学校に付設して相互に益するもよい。 工業高校と遜色のない充実した公立の職能学校を代表的な地域にモデルとして作るのも一つの方法であろう。 (例) 建築製図、 工作機械、 電子機器、 印刷などを昼夜。 (D) 検定制度 工業高等学校その他の学校の目標と教育内容は、 多種多様の自在性を尊重し、 その一方、 技術員としての基礎資格認定を公の機関 (技術関係の学会なども含む) で行う。 (以下略) としている。 註 2) 日経連発表 『技能高等学校の構想』 の概要は、 次の通りである。 1 目的 技術革新の進展に伴い、 産業の必要とする技能は、 こんごますます多様化・高度化するが、 こうした変化に対応し、 企業の現場生産組織の中核となる多能熟練技能者を育成することを目的とする。 2 教育課程 教育課程については、 @現行の高等学校教育は一般的基礎能力の向上に重点をおいているが、 技能者の教育に要請されるのは、 むしろ専門的基礎能力の開発であること、 A技能教育は実技を通して理論を学び、 理論を通して技能を伸ばすことが建て前であること、 B技能教育を通して人間形成は十分行なわれ、 職業人として完成されていくことなどの観点から、 現行の高等学校学習指導要領にとらわれることなく (しかし、 十分参考にしながら) 下記のように編成する。 (1) 修業年限 3 年 (2) 教科、 科目、 単位数、 教科は普通教科、 基礎教科および専門教科の 3 教科より編成し、 普通教科、 基礎教科 (基本実習を除く) の合計は最低45単位、 3 教科合わせて85単位以上とする。 ▽普通教科=国語 ( 5 〜 9 単位)、 社会 ( 6 〜 9 単 位)、 保健体育 ( 6 〜 9 単位)、 芸術 ( 1 単位)、 外 国語 ( 3 〜 5 単位) ▽基礎教科=数学 ( 7 〜12単位)、 理科 ( 6 〜12単 位)、 基本実習 (10単位以上) ▽専門教科=職業訓練法に規定する科目 (15〜30単 位)、 応用実習 (10単位以上) 他に特別教育活動 ( 3 単位) (註) 基本実習とは技能要素に関する実習であり、 応用実習は技能要素の組み合わせ実習と生産現場の実態に即した実習とより成る。 これらを骨子として機械科の教育課程の一例を示せば、 別表のとおりである。 3 教員 教員については技能教育の実を十分あげうるよう、 企業の実態に即して適格者を選定する。 (1) 普通教科および基礎教科 (基本実習を除く) の教員、 高等学校教員資格のある者が望ましいが、 経過措置として現行の連携教育の専門教科で認められている条件 (教員の半数以上は大学卒以上の者であることが望ましい) を適用る。 (2) 専門教科の教員、 現行連携教育の専門教科の教員資格の取り扱いに準ずる。 (3) 実習の指導員、 認定職業訓練の指導員資格以上の者とする。 4 施設・設備 施設・設備についは技能高等学校の設置趣旨にかんがみ高等学校設置基準を参考とし、 公共職業訓練所の基準以上の施設・設備をもつものとする。 但し技能教育の特殊性から現場作業に即した実習も必要なので、 実習施設・設備は必ずしも校舎内になくてもよいものとする。 なお技能高等学校の充実とともに、 それに止どまらず、 更に技能教育のレベルアップをはかり、 一貫体系を作るために、 次のことも考えられてしかるべきである。
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(すぎやま ひろし 教育研究所共同研究員) |
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