編 集 後 記

  • 40号という区切りで表紙のデザインを一新しました。 内容を表紙に出して何が書かれているか一目でわかるようにしたこと、 そして絵画の代わりに写真に使用したことです。 長い間、 貴重な絵画を提供していただいた県立高校の美術の先生方に感謝します。 今号はコスモスで有名な県立藤沢総合高校です。 次号以降も各県立高校の写真を使わせていただく予定です。
  • 9 月12日に突然安倍首相が辞任しました。 昨年 9 月に就任した安倍首相は11ヶ月余で政権を投げ出しましたが、 この間の日本の教育状況は大きな変動期でした。
      安倍首相の諮問機関 「教育再生会議」 は昨年10月18日に発足し、 2007年 1 月24日に第 1 次報告を、 6 月 1 日に第 2 次報告を発表しました。 この報告に先立ち2006年12月15日には 「改正」 教育基本法が成立 (12月22日交付・施行) しました。 これらを受けて2007年 6 月20日には文部科学省に教育委員会への指示・是正要求権を与える 「地方教育行政法改正案」、 副校長や主幹教諭を新設する 「学校教育法改正案」、 教員免許に更新制を導入する 「教員免許法改正案」 のいわゆる教育関連 3 法案が成立しました。 これらの法改正で学校現場はどう変わるのか?それらの現場の疑問に答える内容を<特集 1 >で組みました。
  • 当研究所の独自調査を 「学校間格差と階層差」 と題して<特集 2 >として掲載しました。 「授業料」 をキーワードにした調査によって県立高校に在籍している生徒の深刻な実態が明らかになりました。 今年度の研究所・教育討論会でより一層その実態が解明されるものと思われます。
  • 前号の 「民間出身校長に聞く」 は全国的にも増え続けることが予想されることから、 県立高校で初めて就任した宮原紳氏の考え方をインタビューという形で紹介するものでした。 今 号 は こ の 記 事 に 対 して 当 研究所に寄せられた石川徹さんと中村裕之さんの意見を<寄稿>と<読者のページ>で掲載しました。
  • 2007年 3 月に退職した県立高校の教諭は232人で、 その中の101人が定年退職を待たずに退職しています。 2003年に当研究所が調査した 「教員の意識調査」 では半数以上が学校をやめたいと感じていると答えています。 その思いを昨今では具体的な行動で表していると思われます。 今年度101人の一人である川崎さんから辞めるに至った率直な気持ちを<寄稿>に掲載しました。
  • 教育研究所としては厳しい職場状況の中で、 真摯に教育改革等にとり組んでいる多くの人たちがいることを確信しています。 今の職場状況については教育改革の視点からも、 今後の研究課題と考えています。
  • 従来からの<連載>は数を重ねてきたものが多く、 「いつも期待しています」 といった感想が寄せられることもあり、 編集にあたって励みになっています。
  • 今年度、 研究所員の異動がありました。 小野行雄さん、 三橋正俊さんが研究所を去り、 新たに永田裕之さん、 藤原晃さんをお迎えしました。 三橋さんは研究所発足から定年退職まで20年間、 研究所員を務めれました。 お二人ともご苦労さまでした。
(中野渡 強志  教育研究所特別研究員)
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