新所員紹介
 中山律子(県立平塚工科高等学校)
 こんな夢を見た……。
車で学校に向かっていると同僚のA先生・B先生と出くわす。「?」「うちの生徒がタバコ吸ってるって電話があってね。でも今から行っても、もういないなぁ」授業の始まりを気にするのか、腕時計をちらちら見るA先生の額には汗が滲んでいる。どうして車で行かないの?「知らないの?自動車禁止のお達しが出たんだよ」ええっ?!
 朝のホームルーム。青い顔をして生徒が飛んできた。「センセイ、今日出す履歴書、家に忘れて来ちゃった、まずい!」書類には写真や親の印鑑もあり学校で再度書くという訳にはいかない。幸い私の一時間目は空いている。生徒を連れて車を止めた場所に行ったが「無断駐車の車は撤去しました」の札がひらひら。「どうしよう、就職試験受けられない!」おーい、車やーい。
 ともかくも放課後だが、突然の雨。見ると四・五人の生徒が大きな楽器ケースを抱えて校門に立っている。部員減で近くの高校と合同練習をするのだが、この雨ではタクシーしかないと言う。「俺、今月もう小遣い無いよ〜。センセなんで前みたいに車で連れてってくんないの、もう部活止めようかな」。横で顧問が苦渋の表情。
 いやだいやだ、こんな夢。頬をつねったが、ん?目が覚めない……もしかして、これは……。




 大島真夫(東京大学大学院)
 この4月から研究所員を務めさせていただいております、大島真夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 現在、東大大学院の博士課程に在籍しております。専門は教育社会学・高等教育論です。主な研究テーマは学卒者の就職に関する問題で、生徒(学生)が進路を決める際にどのような問題が生じているのか、そして学校(大学)教育は進路の決定や卒業後の就業の場面でどのように役立っているのか、などということに関心を持っています。昨年は高校生の進路について調査を行い、結果の一部を前号の『ねざす』にご報告させていただきました。
 教職経験は残念ながら全くありません。初めて出席した4月の所員会議では、現場を知らない私が話についていけるのか不安でドキドキでした。しかし、私が分からなそうな顔をしていると、みなさんがわかりやすく説明してくださるので、安心して会議に出席することができています。暖かく迎えてくださって、心から感謝をいたしております。
 独自調査では集計などの技術的な面でお手伝いさせていただきました。今後も自分の専門が活かせるようなお手伝いができればと思っています。私の場合、現場にねざした視点というよりも外部の視点ということになってしまいますが、先生方に現場の視点を教えていただきながら、いろいろ考えて参りたいと思います。研究所のために、そして神奈川県の高校教育のために、微力ながら力を尽くして参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。