修学旅行の本番(98年1月20日〜23日)の直前、『記録的な大雪に見舞われ、「急行」になるなどのハプニングがあった。大雪はスキーコースにとっては望むところだが、沖縄コースにとっては、「大雪のため、羽田から飛行機が飛べなくなったらどうしよう」といった大きな悩みともなった。しかし、期間中は両コースとも怪我や病人もなく、ほぼスケジュールどおりに消化し、成功裏に終わることができた。生徒1人辺りの旅行費用は、計画段階では2万円近くの差があり、割安なスキーコースへの希望者が多くなるのではないかとの予想もあったが、最終的な旅行代金の清算では次のようになった。
スキーコース…66,966円
沖縄コース……75,648〜77,833円(コースにより差がある)
旅行後、LHRを2時間枠とってアンケートへの記入後、お世話になった方々へのお礼状、感想文、50字ピースメッセージ(これは沖縄コースへの参加者のみ)などを書かせた。クラスも解体し、生徒個人個人の希望による参加にもとづき実施された修学旅行であったが、はたして生徒の受け止め方はどうか、正直なところ大変気掛かりであった。
「本人の希望によって行き先・コース・内容が選べる方式についてどう思いますか」と聞いたところ、次のような数字となった。全体の9割近くが「よい」と答えていることは、高く評価されてもよいと考える。
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沖縄コース |
スキーコース |
全体 |
よいと思う |
85.8% |
94.0% |
88.8% |
よくないと思う |
14.2% |
6.0% |
11.2% |
さらに「もう一度行けるとして、同じコースを選びますか」との質問に対しては以下のようになった。
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沖縄コース |
スキーコース |
全体 |
はい |
60.8% |
68.7% |
63.6% |
いいえ |
39.2% |
31.3% |
36.4% |
先の質問と同様、スキーコースを選択した生徒の方がこの方式を強く支持していることが分かる。このことは1年次の秋にコースを決めた際の動機とも関係しているように思われる。すなわち、「あなたは1年の秋の段階で、コースを決めるとき、どのような理由で自分のコースを決めましたか」(複数回答可)との問いに対しては、次のような回答結果が得られた。
沖縄コース % |
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スキーコース % |
友達と同じコースにしたかったから |
38.1 |
スキーをやってみたかったから |
55.2 |
スキーはやりたくなかったから |
33.9 |
友達と同じコースにしたかったから |
43.3 |
土地の魅力にひかれたから |
28.9 |
旅行費用が安かったから |
22.4 |
遠くへ行きたかったから |
24.8 |
スキーをやったことがあったから |
17.9 |
なんとなく |
18.2 |
なんとなく |
17.9 |
(%は回答数/アンケート枚数×100として計算した)
スキーコース参加者のうち、半数(51.5%)は「スキーを初めて経験する」生徒であった。しかしながら全員一律のスキー修学旅行とは違って、「スキーをやってみたかったから」との積極的な動機で参加したからか、引率教員も驚くほどスキー講習への取り組み姿勢がよかったということだ。集落旅行の行き先を1ヶ所に限定し、全員をそこへ連れて行くとの画一的な方法は見直しが必要ではないだろうか。