B.授業時間、学期制について

  平常の授業時間については、1999年度入学生について107校中105校が50分授業を行っていて、70分授業が2校にすぎなかったが、2003年度入学生について106校中50分授業が90校とやや減少した。45分授業が3校、90分授業が5校と単位制を実施する再編校を中心に授業時間の変形パターンが現れてきている。
  週単位数は、先に分析した最大単位数の学校数とずれるところがあるが、月曜から金曜まで1日6時間としてLHRの1時間を除いた週29時間=29単位の学校が、1999年度入学生については30校、2003年度入学生については50校となっている。週29単位の学校をピークとして、1999年度と2003年度では異なった分布を示している(図2)。
  1999年度入学生の場合は、土曜の授業をどう上乗せするかによって、週30単位の学校が27校、週31単位の学校が18校、週32単位の学校が20校と別れている。
  土曜休みがなくなる2003年度については、例えばLHRの時間を7校時に設定して、週30時間とする学校が19校あり、それ以上の週単位数を設定している学校は7校時の授業を実施していると思われるが、17校存在する。全体的に見れば、学校5日制の完全実施によって週授業時間数が減少している(表3)。現状維持が26校、削減校が54校、増加校が13校となっている。しかし7校時にLHRや授業を実施するなどして、授業時間の確保を図ろうとしている学校が36校と3分の1を占めている。学校5日制でウィークデーの学校生活にゆとりがなくなっていく姿が浮かび上がってきている。

  学期制については、3学期制から2学期制へと移行する学校が増加していることが分かった。1999年度入学生の場合は、2学期制を実施している学校が107校中7校だったのが、2003年度には107校中6校が未定としているが、37校となる見込みである。ただし、2学期制のメリットである単位の半期認定を実施する学校は、1999年度2校に対して2003年度9校とあまり増加していない。おそらく2学期制を導入する学校の増加の背景には、期末テスト後に授業時間が半減され成績処理に振り向けられる時間を1回でも少なくして、完全学校5日制の実施で削減される年間授業時間数を確保しようという思惑が働いていると見ることができる。