神奈川県高等学校教育会館

「高等学校における日本語プレイスメントテストの開発」



多文化共生ネットワークかながわ

  
 多文化共生教育ネットワークかながわ・多文化教育コーディネータープロジェクトグループ
 
 現在、神奈川県立高等学校には、在県外国人募集校や定時制を中心に、日本語指導を必要とする多くの外国につながる子どもたちが学んでいる。こうした生徒たちが、高校での学習と生活を支えるための日本語運用能力をどの程度有しているかについて入学時に把握することは、その後の支援を考える上で、きわめて重要である。しかし、高校入学時を想定したプレイスメントテストについては、定評のあるものはなく、一部の高校がそれぞれの工夫で実施している段階であり、支援にあたる教員や支援者の間でも、十分に情報が共有されているとはいえない。そこで、「多文化共生教育ネットワークかなわがわ(ME−net)」の多文化教育コーディネーターメンバー(県立高校13校に派遣)がプロジェクトチームを結成し、様々な高校で使用しうるプレイスメントテスト開発を行った。
 本プロジェクトチームのうち日本語教育専門家4名(武一美・志村ゆかり・西山比佐子・長嶺倫子)がプレイスメントテストを作成し、4名を含む研究構成員らが7校でプレイスメントテストを実施した(本研究の経費が発生したのは、3校である)。初年度でありながら7校で実施できたことは大きな成果といえよう。
本年度は、本プレイスメントの実施初回であり、実施が3月であること、4月に実施予定校もあることなどから、その結果の分析及び改善については現段階では未だまとめることができない。結果の分析及び来年度へ向けたテストの改善はもとより、本プレイスメントテストの結果を、4月からの各生徒への日本語指導にどのように生かしていくのか、支援を担当する教員と多文化コーディネータら支援者の間でどのように情報を共有していくのか、が今後の課題である。

  • 実施手順
    [5月〜7月]
    • プレイスメントテストのコンセプトと実施の方針を検討

    [8月〜1月]
    • コンセプトに基づいて、プレイスメントテスト試案作成と検討
    • 本年度実施用プレイスメントテスト開発

    [2月〜] 
    • 本年度実施用プレイスメントテストのチェック
     
    [3月〜] 
    • プレイスメントテスト実施・採点・分析・各校への報告
  • プレイスメントテスト概要】
    • 所要時間:60分 
    • プレイスメントテストは、実施・採点・集計・分析までをプロジェクトメンバーが行う。
    • 目的:入学段階での生徒の日本語習得状況をみる。入学後の日本語指導の参考にする。
    • 初級前半・初級後半・中級・中上級のどの段階まで習得したかをチェックする。
    • 初級・中級・中上級の各段階の表現文型・漢字・語彙の問題を出題する。
    • 問題1(初級前半)〜問題11(中上級)へと、易→難へと出題する。
    • 総設問数:83問。4択問題とする。
    • 問題12は、3つのテーマから選択する自由作文とする。 
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