神奈川県高等学校教育会館

クリーンエネルギーの実験装置の製作・研究の報告


クリーンエネルギー研究会
 
 風力発電装置と太陽光発電装置を組み合わせて、効率の高いクリーンエネルギー発生装置を製作し研究する。

風力発電
  1. 風力発電装置の方は完成して実験までこぎ着けましたが、予想通りの発電量が得られず、更に装置の改善が必要であることが判明しました。
    改善点1:低速回転数で予定する発電電力が得られる設計にすること。
    改善点2:手作りの風車なので回り始めの回転力が小さいため、相当風が強くならないと、回らないので風車の軽量化を図る。
    改善点3:持ち合わせの材料を使い風車を製作したため、効率が悪いので材料を吟味して風車効率を上げる。
    改善点4:初めから、大きな出力のものに拘らずに小型の風車で実験してみる必要があった。
    改善点5:風力が弱い状態で風車が回り始める工夫が必要であること。微風を感じ取り、風車に電動機等で始動トルクを与える機構を付加するともっと効率が良くなる。
    ・風力発電専用の発電機は高価格なので、予算をよく検討する必要がある。1台で8万円程度。
    ・今回は自動車用の発電機を使用して実験したが、やはり必要な回転数にするために歯車とチェーンを組み合わせたがまだ不十分でした。
    ・最高回転数で毎分1250回転程度しか得られず、発生電圧がやっと12Vでした。整流回路を通して直流の12Vを得るには、交流で14〜16V位必要である。今の発電機では1500〜1800回転が必要と思われる。
    ・歯車機構の部分と発電機の防錆対策として、アルミニウム板で覆いカバーを付けたところ風向き制御用の方向舵よりも大きくなり、制御がスムーズに出来なかった。
    ・これから風車の速度を測定して発電機の選定をしていきたい。
    ・小型発電機として自転車のハブ発電機を使って実験してみたが思ったよりも回り始めの必要回転力が大きく風車の設計を再検討する必要がある。
    ・自転車の車軸に装着している発電機なので小型の風車でダイレクトドライブ運転できると考えていたが大きな風車が必要であることが分かった。

    今年度の初めの段階では風力発電の改良型を製作する予定でした。
    しかし、装置の保守点検、維持に相当な手間がかかること。
    後継者の育成に時間がかかること。
    設置場所が建物の屋上になるので、装置の取り外し組立が容易でないこと。
    したがって、風力発電については中型以下の一人で取扱が出来る大きさのものに変更する。
太陽光発電
  1. 太陽光発電装置は、電圧24V 電流7.5A(180W)のソーラーパネルを購入して実験をしました。
    (1) 直流24V電源として別系統補助電源として使用する。
    ・過充電を避けるためにレギュレーターを通してバッテリーに充電する。
    ・直流24V用の照明や送風機、ヒーター類の電源として使用する。
    (2)パネルの枚数を増やして96V(約100V) 7.5A(720W)として、直流交流変換装置を用いて交流の約100V電源として、汎用電気器具を使用する。
    直流−交流変換装置についてはトランジスタとシリコン半導体を使って制御回路を組み立てる。

 2年がかりの研究になりますが、途中アクシデントに見舞われました。
12月の強風により、タワーごと風力発電装置が倒れて風車のブレードが破損したので現在は休止している。
今後は、中型の風力発電機の製作に計画を変更して、メンテナンスフリー(一人で取扱が出来る大きさ)の風力発電機を完成させる。
 太陽光発電装置は、太陽を追いかけて360度回転する台座を製作して、固定設置の場合に比べて、発電効率を高める設計にも取り組みたいと考えています。
 将来的には、太陽光発電と風力発電とをドッキングさせて、さらに高効率のクリーンエネルギーの活用が出来る装置に仕上げたい。
 クリーンエネルギー時代 に合わせて、CO2削減の実証装置を教育現場に設置したい。

 完成・実用化に向けて、もう1年研究を続けたいと思います。
県立商工高校
阿部 八男
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